○秩父広域市町村圏組合火災予防査察規程
平成29年3月17日
消防本部訓令第4号
秩父広域市町村圏組合火災予防査察規程(昭和60年秩父消防本部訓令第2号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 査察
第1節 査察の基本(第3条・第4条)
第2節 業務管理(第5条―第7条)
第3節 査察計画(第8条)
第4節 査察の執行(第9条―第13条)
第5節 立入検査結果の処理(第14条―第18条)
第3章 資料の提出及び報告の徴収(第19条―第21条)
第4章 点検報告(第22条・第23条)
第5章 補則(第24条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び秩父広域市町村圏組合火災予防条例(昭和46年条例第7号)に基づく査察の執行に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 立入検査、違反処理及び火災予防のための措置を含む行政作用をいう。
(2) 立入検査 法第4条及び第16条の5の規定に基づき防火対象物及び製造所等に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況並びに危険物の貯蔵若しくは取扱いについて検査し、又は質問を行い、火災予防上の不備事項について関係者に指摘し、その是正を促す作用をいう。
(3) 少量危険物貯蔵取扱所 法第9条の4の規定に基づき、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「政令」という。)第1条の11に規定する別表第3の指定数量(以下「指定数量」という。)の5分の1以上指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(5) 高圧ガス関係施設等 法第9条の3の規定に基づき、政令第1条の10第1項に規定する物質又は高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第74条第1項、ガス事業法(昭和29年法律第51号)第176条第1項若しくは液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)第87条第1項に規定する消防長に通報があった施設
(6) 危険物製造所等 法第10条第1項に規定する危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所並びに危険物を仮に貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。
(7) 査察対象物 法第17条の3の2の規定により検査を受けなければならない防火対象物及び消防用設備等が義務設置となる防火対象物をいう。
(9) 査察員 査察に従事する消防職員をいう。
(10) 本部査察員 予防課の消防職員をいう。
(11) 署査察員 消防署又は消防分署の消防職員をいう。
第2章 査察
第1節 査察の基本
(査察の主体)
第3条 査察の主体は、消防署課長及び分署長(以下「課長等」という。)とする。
(責務)
第4条 消防長及び署長(以下「消防長等」という。)は、査察業務と行政責任との関わり合いを十分に認識するとともに世論の動向等を洞察し、常に社会情勢に対応した査察の推進に努めなければならない。
2 消防長等は、査察員に対する研修の実施、研究会の開催、自己啓発助長等により、資質の向上に努めるものとする。
3 署長は、査察対象物等の実態把握に努めるものとする。
第2節 業務管理
(査察の種別)
第5条 査察は、次に掲げる種別に区分する。
(1) 定期査察 第8条の査察計画に基づき定期的に実施する査察
(2) 特別査察 消防長等が、次に掲げる場合において、必要であると認めて行う査察
ア 住民から防火上の要請があった場合
イ 法令の改正等により査察の必要が生じた場合
ウ 違反処理として査察を行う場合
エ 特別な行事、催物等が開催される場合
オ 特異な火災が発生した場合
(査察対象物等の情報管理)
第7条 予防課長は、査察対象物等について、査察台帳、OA管理システム等を活用し、情報管理をするものとする。
2 予防課長は、査察対象物等について査察執行状況を把握し、必要により消防(分)署に周知するものとする。
第3節 査察計画
(査察計画)
第8条 消防長は、毎年2月末日までに翌年度の査察に関する基本方針を示さなければならない。
3 年度査察計画の策定に当たっては、予防課長と協議して基本方針に基づく重点項目を掲げ、査察対象物等の区分に応じた計画を樹立するものとする。
4 消防長は、火災の発生状況又は社会情勢等により必要と認めた場合は、年度査察計画を変更し、効果的に査察が執行できるよう、その都度、査察計画を定めるものとする。
第4節 査察の執行
(査察の執行)
第9条 予防課長は、査察業務を統括し、課長等が主体となって行う査察に対し支援することができるものとする。
2 課長等は、査察の執行に際し、特に必要と認めるときは、予防課長に対し本部査察員の派遣を要請することができるものとする。
3 予防課長は、査察の執行に際し、必要と認めるときは、署長に署査察員の協力を依頼することができるものとする。
4 予防課長は、査察対象物等に関し、立入検査が必要と認める情報を得たときは、速やかに署長及び課長等に通報するものとする。
(事前準備)
第10条 査察執行にあたっては、概ね次に掲げる事項について事前に検討を行い、査察の効率的な執行を図るものとする。
(1) 前回の査察で指摘した不備欠陥事項等の改修状況
(2) 消防用設備等に係る点検報告(総合点検等)の実施状況
(3) 防火防災管理者選任(解任)届出の状況
(4) 消防計画又は予防規程の作成状況
(5) 消防訓練の実施状況
(6) 防火対象物点検報告及び特例認定の状況
(7) 防災管理点検報告及び特例認定の状況
(8) 危険物製造所等の許認可及び変更状況
(9) 法令に対する特例適用及び経過措置の適用の有無
(10) 建築物についての増改築及び用途変更に伴う法令の適用状況
(11) 査察に要する人員及び時間
(12) その他査察に必要な事項
(検査事項)
第11条 立入検査は、出火危険、延焼危険及び人命危険の排除を主眼とし、査察対象物等の位置、構造、設備及び管理の状況等について行うものとする。
2 立入検査は、査察対象物等の防火対象物使用開始届出書、消防設備等点検結果報告書その他関係図書等を活用して行うものとし、関係者が行う自主管理状況の記録についても確認するものとする。
(査察員の心得)
第12条 査察員は、査察の執行に関し、法第4条及び第16条の5に規定するもののほか、次に掲げる事項を遵守するものとする。
(1) 消防法等の関係法令に精通するとともに、立入検査に必要な知識の習得及び査察能力の向上に努めるものとする。
(2) 2人以上で行動し、相互に補完するものとする。
(3) 服装は、制服又は活動服とするものとする。
(4) 態度を厳正にし、言葉遣いに留意して不快感を抱かせないよう注意するものとする。
(5) 関係者に立会いを求めるものとする。
(6) 機器の操作を要するときは、関係者等に操作をさせるものとする。
(7) 民事紛争等に関与しないものとする。
(8) 安全管理に努め、事故防止を図るものとする。
2 立入検査は、原則、口頭又は通知書(様式第2号)により、関係者に事前に通知し実施するものとする。ただし、事前に通知をしては、違反が一時的に是正され、違反の実態が把握できないおそれがある場合は、この限りではない。
3 正当な理由がなく、立入検査の拒否、妨害又は忌避をした関係者に対しては、立入検査の趣旨を十分に説明し再考を促すこととする。説明後も関係者が立入検査の拒否等をするときは、査察員は関係者から立入検査の拒否等の理由を確認するとともに記録し、立入検査を中止して速やかに消防長等に報告し、指示を受けるものとする。
4 査察員は、立入検査の結果、不備事項を確認したときは、その内容及び法的根拠を十分説明し、早期の是正に努めるものとする。
(証票の提示)
第13条 査察員は、査察執行に当たり、関係者から証票の提示請求があったときは、秩父消防本部職員の立入検査証に関する規則(平成30年規則第4号)第2条に定める立入検査証を提示しなければならない。
第5節 立入検査結果の処理
(立入検査結果通知書等の交付)
第14条 査察員は、査察の結果を査察対象物等の関係者に対して、次により通知するものとする。
2 違反事項等が重大若しくは異例のもの、又は法令の解釈等で疑義がある場合は、直ちに上司に報告し、指示を受けた後に立入検査結果通知書及び違反指摘票を交付するものとする。
2 前項の規定による改修(計画)報告書の提出期限は、立入検査結果通知書を交付した日の翌日から起算して10日以内とする。
3 消防長等は、改修(計画)報告書が提出された場合は、その内容を検討し、必要があると認めるときは、関係者に対し改修計画の変更その他必要な措置をとるよう指示するものとする。
(移動タンク貯蔵所等の停止措置)
第16条 移動タンク貯蔵所等に対する停止措置の条件等については、秩父広域市町村圏組合火災予防査察規程事務処理要綱(平成29年秩父消防本部訓令第5号)に定めるものとする。この場合、常置場所が秩父広域市町村圏組合管轄区域外である移動タンク貯蔵所の不備、欠陥を確認した場合は、危険物輸送車両検査結果通知書(様式第10号)に立入検査結果通知書(様式第4号)の写しを添えて、当該移動タンク貯蔵所の常置場所を管轄する市町村長等に通知するものとする。
(立入検査結果の記録、報告)
第17条 査察員は、立入検査終了の都度、査察執行記録簿(様式第11号)に記録して予防課長に報告するものとする。
3 課長等は、査察執行記録簿に記録する以外の重要な情報については、任意で記録するものとする。
(関係行政庁との連携)
第18条 管理者又は消防長等(以下「管理者等」という。)は、法第35条の13の規定に基づく照会をする場合は、火災予防関係事項照会書(様式第17号)により関係行政庁と相互に連携するものとする。
2 管理者等は、立入検査の結果、消防法令以外の防火に関する規定の違反又は違反の疑いを認めるときは、消防法令以外の法令違反通知書(様式第18号)により関係行政庁に通知し、是正指導に努めるものとする。
3 管理者等は、関係行政庁から協力を求められた場合は、必要に応じ協力するものとする。
第3章 資料の提出及び報告の徴収
(資料の提出)
第19条 管理者等は、火災予防上必要な資料について、関係者に対して任意の提出を求めるものとする。
6 前項の規定により提出資料保管書に係る資料について、保管の必要がなくなったときは、提出資料保管書と引換えに当該資料を返還するものとする。
(報告徴収)
第20条 管理者等は、前条の規定による資料のほか、火災予防上必要な事項について、関係者に対して任意の報告を求めるものとする。
(危険物の収去)
第21条 危険物又は危険物であることの疑いのある物を収去するときは、秩父広域市町村圏組合危険物の規制に関する規則(令和4年規則第1号)第17条の規定により行うものとする。
2 危険物又は危険物であることの疑いのある物が関係者から任意に提出された場合において、その所有権を放棄するときは、所有権放棄書(様式第24号)を提出させるものとする。
第4章 点検報告
(点検報告の推進)
第22条 消防長等は、消防用設備等の管理の助長を図るため、法第17条の3の3の規定による点検報告の推進に努めるものとする。
(点検報告書の処理)
第23条 法第17条の3の3の規定による消防用設備等点検結果報告書の受理は、課長等が行うものとし、防火対象物ごとに2部提出させるものとする。
第5章 補則
(補則)
第24条 この訓令に定めるもののほか、査察の執行等に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成29年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までに、秩父広域市町村圏組合火災予防査察規程(昭和60年秩父消防本部訓令第2号)の規定によりなされた手続きその他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(令和4年消防本部訓令第4号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
別表(第6条関係)
査察区分 | 実施割合 | |
特A | ① 特定防火対象物のうち、重大な消防法令違反のある対象物 | 随時 |
② 非特定防火対象物のうち、重大な消防法令違反のある対象物 | 随時 | |
A | ① 特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告のいずれかがなされていない対象物 | 1年に1回 |
② 非特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告が双方ともなされていない対象物 | 1年に1回 | |
③ 査察対象物等で、防火対象物点検報告制度又は防災管理点検報告に該当する防火対象物その他火災が発生した場合、被害や社会的影響が大きいと予想される対象物で消防長等が必要と認めた対象物 | 1年に1回 | |
④ 危険物施設等のうち、製造所、一般取扱所(危険物の規制に関する政令第19条第2項第3号に規定するボイラー等を除く)、給油取扱所(自家用を除く)、移動タンク貯蔵所及び予防規程を定めなければならない製造所等 | 3年に1回以上 | |
B | ① 特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告がなされている対象物 | 3年に1回以上 |
② 特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務のない対象物 | 3年に1回以上 | |
③ 非特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、防火管理者選任届又は消防用設備等点検報告のいずれかがなされていない対象物 | 3年に1回以上 | |
④ 危険物施設のうち、前記Aに該当しない施設 | 3年に1回 | |
C | ① 非特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務があり、防火管理者選任届及び消防用設備等点検報告が良好な対象物 | 5年に1回以上 |
② 非特定防火対象物のうち、防火管理者選任義務のない対象物 | 5年に1回以上 | |
D | 特AからC以外のもの | 適宜 |
様式 略