水道料金改定についてのQ&A

平成28年4月に秩父地域1市4町の水道事業を統合しましたが、水道料金については、統合後の現在も、市町毎に異なる料金計算を行っています。
この1市4町で異なる料金表については、令和3年4月までに統一するため、経営審議会の答申書を踏まえ、組合理事会で改定案を検討し、住民説明会の準備を進めているところです。
このページでは水道料金改定に関する様々な疑問・質問についてお答えします。

質問一覧

1 現在の料金のしくみ・計算方法について
Q1-1 水道料金の請求は毎月?隔月?検針票の見方も教えて!
Q1-2 基本料金はみんな同じなの?お店や工場も?
Q1-3 実際どのように計算しているの?計算例を教えて!
2 現在の料金設定と経営状況について
Q2-1 他の市町の水道料金はいくらくらいなの?
Q2-2 統合して同じ団体になったのに、市町によって料金を変えているのは不公平では?
Q2-3 今の金額は適正じゃないの?値上げは嫌ですけど。
Q2-4 本当に経営は苦しいの?平成30年度決算は4億6千万円の黒字みたいだけど?
Q2-5 施設の更新に備えた貯金は今までしていなかったの?
3 経営審議会と改定に向けた協議について
Q3-1 経営審議会ってなに?
Q3-2 経営審議会ではどのような結論になったの?
Q3-3 料金改定までのスケジュールを教えて!
Q3-4 平均改定率は17.91%だと思っていたけど、最終的な改定案はどうなったの?
Q3-5 答申通りの改定率ではないけれど、水道局としては平気なの?
Q3-6 構成市町からの繰入金はいくらくらい?水道の経費を構成市町が負担していいの?
Q3-7 それでも小鹿野町は26.2%値上げなの?負担が多くなるけど…
4 料金改定統一(改定)案について
Q4-1 私の家の水道料金は料金統一をすることで一体いくら請求額に影響が出るの?
Q4-2 普段20㎥使っている人の値上げ率が一番高いのはなぜ?
Q4-3 とはいえ急激に高くなりすぎじゃない?基本水量制は残せないの?
Q4-4 理屈は分かったけど急激に高くなりすぎて納得できない!

1 現在の料金のしくみ・計算方法について


Q1-1 水道料金の請求は毎月?隔月?検針票の見方も教えて!
A1-1 水道料金は、秩父圏域内を偶数月に検針する区域と、奇数月に検針する区域に分けて検針をしていますので、どのご家庭も2か月に一度、検針員がメーターの検針に伺い、ご家庭のポストに検針票を投函し、検針した翌月に請求しています。検針票の見方は(図1)をご覧ください。

Q1-2 基本料金はみんな同じなの?お店や工場も同じ?
A1-2 実際の料金表(図2)をご覧ください。基本料金は、その人が使用している水道管の太さにより金額が変わります。また、水量料金も、使った量や水道管の太さにより単価が変わるしくみです。お店や工場の場合でも同じ料金表を適用しています。

Q1-3 実際どのように計算しているの?計算例を教えて!
A1-3 例えば太さ13㎜の水道管を使っている秩父市在住の方が、2か月で42㎥使った場合を考えてみます(図3)。口径が13㎜ですので基本料金は1,960円です。従量料金は使った量に応じて値段が変わります。20㎥までは70円ですので20×70=1,400円。20㎥を超えて40㎥までの分は140円に上がりますので20×140=2,800円。40㎥を超えて100㎥までの分はさらに上がって165円ですので2㎥分が165円(2×165=330円)となります。この結果に消費税率をかけたものが2か月分の請求額となります。

2 現在の料金設定と経営状況について


Q2-1 他の市町の水道料金はいくらくらいなの?
A2-1 秩父地域1市4町の料金表(図4)です。標準家庭と言われる2か月40㎥使用の場合を比較すると、皆野町・長瀞町が最も高い6,680円、次いで秩父市が6,160円。横瀬町が5,400円、小鹿野町が4,300円となります。
ただし、統合前に赤字だった団体や、料金収入が見込めず、補助を受けて経営していた団体は、適正な料金設定だったとは言えません。そのため、適正な料金設定がされていたのかどうかについても注意が必要です。

Q2-2 統合して同じ団体になったのに、市町によって料金を変えているのは不公平では?
A2-2 利用者負担の急増を避ける等の目的で料金統一を先送りにしていますが、これにより生じる地域間の格差を解消することを目的として、調整措置を行っています。
首長間で締結された「統合に関する覚書」には、この措置について具体的な取り決めがなされており、実質、秩父市の料金体系を使用した場合と同程度の給水収益が、構成市町からの繰入金という形で確保されるというしくみです。(図5参照)
ただし、このしくみは独立採算の原則や受益者負担の原則に反しており、構成市町の一般会計に過度な負担を強いるものです。また、繰出基準にも該当しないため、交付税措置による国の財政支援は受けられません。
そのため、水道事業や構成市町の経営効率を考えると、早急に適正な金額に統一することが最善であると考えられています。

Q2-3 今の金額は適正じゃないの?値上げは嫌ですけど。
A2-3 秩父地域においては、人口減少による水需要の減少が予想される一方で、老朽化施設の更新工事により、今後、多額の工事資金が必要になることが予想されています。
つまり、「施設の更新費用は増加しているが、水の売り上げは減少している」ダブルパンチ状態です。全国には、100円で作った水を、90円で売っているような、採算が取れていない地域も少なくなく、全国的に水道料金の見直しを余儀なくされています。
当水道局では、将来の水需要予測、財政計画の見直しを行い、経営に必要な費用を賄える適正な料金体系の検討を進めています。この料金体系は、広域事業体として歩んでいく1市4町が水道を維持していくために必要なものです。事業運営においては引き続き、施設の統廃合や費用の削減に努め、経営の合理化を進めて参りますのでご理解くださいますようお願いします。

Q2-4 本当に経営は苦しいの?令和元年度決算は2億4千6百万円の黒字みたいだけど?
A2-4 純利益としては2億4千6百万円の黒字を計上できておりますが、これについては、構成市町からの基準外の繰入金3億6千万円と現金収入を伴わない収益である長期前受金戻入3億7千万円があっての結果ですので、分析にあたっては注意が必要です。
難しい説明は割愛しますが、この2つの収入は、いわば他者からの援助金ですので、安定した経営のためには、援助を受けられないことを想定した料金設定、つまり、本来の収入源である水道料金収入のみで経営していくことのできる料金設定が望ましいと考えられています。
また、今後も老朽化施設の更新工事を継続して実施していく計画ですので、それに伴って減価償却費も年々増加していき、今の料金体系では近い将来赤字に転じることが予想されています。

Q2-5 施設の更新に備えた貯金は今までしていなかったの?
A2-5 ある程度の貯金はしていましたが、利用者の目先の生活を優先した結果、将来の更新費用を賄えるだけの貯金はできない料金設定となっていました。
また近年では、構成市町の会計から補助を受けて何とか経営している状況ですので、健全経営とはほど遠い状況です。
今回の料金改定では、将来の施設更新に備える貯金(資産維持費)を適正に見込んで算定しています。
私たちの生活に欠くことのできない水道を、子々孫々にわたり維持していくために…。皆さんからいただく水道料金は、皆さんの水道を守るために使われています。水道を支える一員として、ぜひともご理解いただきますようお願いします。

3 経営審議会と改定に向けた協議について


Q3-1 経営審議会ってなに?
A3-1 水道料金の統一について、管理者(秩父市長)から諮問を受け、審議を行ってきた機関です。
審議会の委員は、識見を有するもの7人、組合市町からの推薦者8人、管理者が必要と認めるもの(公募により選任)6人、計21人で構成されています。水道料金のように、利害が複雑に絡み合う課題に対し、住民や専門家の意見を広く反映することで、より公正な行政執行を図っています。
昨年1月から11月まで計8回の会議を重ね、水道事業の現況や地域経済等、料金改定について慎重に検討し、昨年12月20日に答申書が提出されました。

Q3-2 経営審議会ではどのような結論になったの?
A3-2 「料金改定率は平均17.91%の引き上げとすることが必要である。」との見解が示されました。
ただし、引き上げにあたっては企業活動や住民生活に大きな影響を与えることが懸念されるため、地域経済の発展という広い観点から様々な配慮をする必要がある等の付帯意見が挙げられています。審議内容の詳細はこちらのページをご覧ください。

Q3-3 料金改定までのスケジュールを教えて!
A3-3 大まかなスケジュールは(図6)のとおりです。審議会の答申を踏まえ、1市4町の首長で構成される組合理事会で改定率を決定します。住民説明会やパブリックコメント等、皆さんのご意見を伺う機会も設けさせていただきますのでぜひご参加ください。
その後、組合議会に改定案を提出、可決されれば料金が改定となります。
料金改定の詳細スケジュールは水道局HPや水道だより等で随時お知らせする予定です。

Q3-4 平均改定率は17.91%だと思っていたけど、最終的な改定案はどうなったの?
A3-4 審議会の答申は「料金改定率は平均17.91%の引き上げとすることが必要である。」とのことでしたが、1市4町の首長で構成される組合理事会では現在の基準料金体系(秩父市の料金体系)で統一する案で決定しました。改定率を見ると、団体別では横瀬町が7.18%、小鹿野町が26.2%、皆野・長瀞がマイナス16.23%です。秩父市の料金表で統一しますので、秩父市は0%です。地域全体の改定率とすると0.25%となりました。

Q3-5  答申通りの改定率ではないけれど、水道局としては平気なの?
A3-5  水道の経営状況を考えると、最低でも平均17.91%引き上げることが必須でしたが、今回の改定では、まずは統一し、圏域内の公平性を確保することを最優先しています。経営の健全性は後退しますが、事業統合後初の料金改定で一度に経営に必要な水準で統一した場合、大幅な値上げが生じてしまう地域が発生することが懸念されます。
協議の結果、これまで基準料金と位置付けられていた秩父市の料金表で統一し、平均改定率を0.25%まで引き下げることとしました。基準料金は構成市町の中間に位置する料金体系ですので、料金が激変する利用者を限りなく抑えられる最も平等で現実的な料金表であると考えられます。
ただし、経営に必要な収入は不足しますので、その不足額は構成市町からの繰入金で補うこととしています。その結果、平均17.91%引き上げた場合と同じだけの収入が確保されることとなります。(図7参照)

Q3-6 構成市町からの繰入金はいくらくらい?というか水道の経費を構成市町が負担していいの?
A3-6 構成市町繰入金は5年間でおよそ18億円、年間約3億6千万円です。これを構成市町が平等に負担しますが、このしくみは受益者負担の原則や独立採算の原則に反しており、構成市町の会計に過度な負担を強いる可能性があります。また、繰出基準にも該当しないため、交付税措置による国の財政支援は受けられません。
しかしながら、今回の改定では負担が急増する利用者への配慮に重点を置いたことにご理解くださいますようお願いします。

Q3-7 それでも小鹿野町は26.2%値上げなの?負担が多くなるけど…
A3-7 今回の料金改定は、3割近く値上げになる地域がある一方、マイナスになる地域もあり、統一することの難しさを感じています。
全ての方に納得していただけるような現実的な料金体系を模索しましたが、統合前に赤字だった団体や、料金収入が見込めず、補助を受けて経営していた団体があり、原価に対して明らかに安い料金設定がされていたケースも見受けられました。
苦渋の末、最も料金水準の低い小鹿野町民へ及ぼす影響を考慮し、現在の基準料金体系である秩父市の料金体系を採用することとしましたが、改定率を圧縮することによってさらに5年後の改定率に影響が及ぶことに注意が必要です。
このように、原価を賄う適正な料金に統一するには、どうしても急激な負担増加を招く状況ですが、この統一により、1市4町が足並みを揃え、広域事業体として着実に歩んでいくことができると考えています。
今後も社会情勢や皆様のご意見を参考にしながら、情報をしっかりとお伝えし、利用者との合意形成に努めて参りますのでご理解くださいますようお願いします。

4 料金改定統一(改定)案について


Q4-1 私の家の水道料金は料金統一をすることで一体いくら請求額に影響が出るの?
A4-1 今回の料金統一による影響を、一般的な家庭に設置されている、口径13㎜の水道メーターの場合を例に、現在の料金と統一料金とを比較すると(図8)のとおりです。通常4人家族で2か月間に40㎥くらいを使用すると言われています。また、検針の際にお配りしている検針票をご覧いただきますと、実際の使用水量を確認することができます。

Q4-2 普段20㎥使っている人の値上げ率が一番高いのはなぜ?
A4-2 基本水量制を廃止したため、今まで基本水量制を採用していた4町では、20㎥使用される方の値上げ率が最も高くなっています。基本水量制とは、一定の水量までは基本料金に含まれる制度で、このときの一定水量を基本水量と言います。基本水量内であれば10㎥であっても、20㎥であっても料金は変わらないことになりますが、この場合、10㎥しか使わない利用者からすると不公平に感じられます。
そのため、今回の改定では基本水量制を廃止し、使った分を使った分だけ払う公正なしくみに変更します。これにより、今まで割安感のあった2か月間で20㎥使用する方の値上げ率が最も高くなることになりますが、ご理解いただきますようお願いします。

Q4-3 とはいえ急激に高くなりすぎじゃない?基本水量制は残せないの?
A4-3 基本水量制を導入する目的は「公衆衛生向上の観点から生活上必要な一定程度の水道の使用を促すこと」にありました。まだ井戸水が主流だった130年程前、水道創設期の話です。
しかし、水はタダという概念が根強く残っている中で水道利用者を増やすには、誰でも気兼ねなく利用できる安価な料金設定が絶対条件でした。
そこで、生活する上で必要最低限の水量までは定額で済む基本水量制を採用し、水道利用を促すことにしました。
その結果、水道普及率は年々上昇、安全な水道水の普及は公衆衛生を格段に向上させました。
令和元年度末現在の秩父地域の水道普及率は99%で、当初の目的は十分達成したと考えられます。また、近年では核家族化や一人世帯の増加に伴い、2か月当たりの使用量が20㎥に満たない使用者が増加、不公平な制度に対する批判の声が高まるといった新たな課題が浮き彫りになっています。
現行の秩父市の料金表は、基本水量を設定していません。今回の改定では、秩父市の料金表に倣い、基本料金と水量料金を完全に分離して、1㎥から水量料金を負担するしくみを採用しています。時代に即した公正な制度への転換のため、ご理解いただきますようお願いします。

Q4-4 理屈は分かったけど急激に高くなりすぎて納得できない!
A4-4 基本水量制を廃止することで生じる負担を軽減するため、これまで基本水量とされていた20㎥までの水量料金単価を可能な限り抑えています。
さらに、今回の料金統一による利用者の負担を軽減するため、構成市町からの繰入金により値上げ率を抑えることを決定しました。
料金表を大きく変えることが、利用者にどれだけの負担がかかるかについては細心の注意を払い、試算に試算を重ねました。当初、一般的な算出式にあてはめ試算をしたところ、200%の値上げとなる利用者も見られましたが、審議会等を通じ、多くの方々のご意見を参考にしながら、秩父地域の社会情勢、住民や企業に与える影響等総合的に勘案し、最善と考えられる改定案を模索してきました。
水道局では、水道料金改定が人々のくらしを左右するということを肝に銘じ、利用者との合意形成に努めてまいりますので、ご理解いただきますようお願いします。