ごみの焼却により発生する熱エネルギーを有効に利用するため「蒸気タービン発電設備」を設置しました。
平成24年8月から着工した秩父クリーンセンター基幹的設備改良工事が平成27年3月で完了しました。今回の基幹的設備改良工事により既存施設の長寿命化を図るとともに、新たに蒸気タービン発電設備を設置し、CO2削減対策を施した地球温暖化防止に配慮した、環境にやさしい施設に生まれ変わりました。
基幹的設備改良工事の目的
秩父クリーンセンターは、秩父圏域(秩父市・横瀬町・皆野町・長瀞町・小鹿野町)の可燃ごみを処理する唯一の施設です。
平成9年7月の竣工から15年が経過し、設備機器の一部については摩耗、損傷や装置、部品の製造中止により、定期的な保守や修理を実施するのに支障となることから、主要な設備機器の更新工事を実施することにより施設の向こう15年以上の稼働を目標とする延命化を図りました。
さらに、熱エネルギーを有効利用するために新たに出力1,400kWの蒸気タービン発電設備を設置しました。この発電により、施設におけるすべての電力を供給し、余剰電力は売却しております。
この基幹的設備改良工事は、国(環境省)の循環型社会形成推進交付金を活用しました。
契約の概要
○契約金額
1,998,150,000円(消費税及び地方消費税額を含む。)
○契約工期
平成24年8月7日から平成27年3月29日
○請負業者
日立造船株式会社東京本社
工事の概要
- 省エネルギー化
電力使用量の削減を図るため高効率電動機への交換やインバータ制御の機器への更新 - 耐久性の向上
燃焼ガス冷却設備のボイラ水管の腐食対策や材質を変更した各種ポンプの更新 - 安定性の向上
発電設備の新設による停電時などにおける自立運転の確保
°工事範囲
こちらをご覧ください(PDF113KB)
°工事箇所(断面図)
こちらをご覧ください(PDF162KB)
エコノマイザ
ボイラで冷却後の排ガスから熱を回収し、その熱でボイラ給水温度を上げることで熱回収率を高めます。
基幹的設備改良工事にて新たに設置しました。
蒸気タービン(左)・発電機(右)
ボイラで発生した蒸気を利用して、最大1,400kWの発電を行います。発電電力は施設内で利用され、余剰電力は電力会社へ売却しています。
基幹的設備改良工事にて新たに設置しました。
タービン排気復水器
タービン発電機で使い終わった蒸気を空気で冷却し水にします。
基幹的設備改良工事にて新たに設置しました。
中央制御室
焼却炉の運転、ごみクレーンの操作、公害対策機器の監視制御など集中して運転操作及び管理を行います。
基幹的設備改良工事にて監視盤、操作盤、データ処理設備などを更新しました。
蒸気タービン発電設備
基幹的設備改良工事により、ボイラから発生する蒸気を動力として利用する駆動用タービン方式から蒸気を電力として利用する復水タービン方式へ変更しました。
- 発電設備認定
平成26年10月17日付けで、国(経済産業省)より「再生可能エネルギー発電設備(バイオマス)」の認定 - 売電開始
平成26年11月4日 - 発電出力
定格出力1,400kW
*秩父クリーンセンターには、1日75トンの焼却処理能力の焼却炉が2炉ありますが、2炉を同時に運転した場合の発電出力が1,400kWです。
通常は、1炉を交互に切り替えて運転しております。1炉運転における発電出力は約1,100kWから1,200kWです。 - 発電実績
今月の発電量(別ページに移動します)
問い合わせ
秩父クリーンセンター
tel:0494-24-8050